前回は、波照間島おすすめの海スポットをご紹介しましたが、波照間島のおすすめは、海だけではありません。刻々と移り変わる太陽や星空が見せてくれる絶景も見どころのひとつです。
夕日・日の出・星空は島へ泊まらなければ見ることができませんので、ぜひ波照間島へ1泊して空の織りなす景色を堪能してみて下さい。
夕日・日の出・星空は島へ泊まらなければ見ることができませんので、ぜひ波照間島へ1泊して空の織りなす景色を堪能してみて下さい。
(文&写真:片山正樹)
○前回記事はこちら↓
4.コート盛から見る、水平線に落ちる夕日
夕日が見られるスポットが多いのは、小さな島ならでは。ニシ浜から見るのが有名なようですが、もうひとつの僕のおすすめはコート盛から見る夕日です。
コート盛とは琉球石灰岩を積み上げて造られた高さ4mほどの遠見台のことで、島の中心部にあります。琉球王朝時代に造られ、海上監視や船の通報のために烽火(のろし)を上げていたそうです。島間の情報伝達にも使われ、なんと、おとなりの西表島の遠見台とも烽火で連絡を取り合っていたそうですよ。
コート盛自体も歴史を感じさせる建造物ですが、夕日観賞の隠れスポットとも言われているようです。
僕は夕方、宿で一緒になった皆さんと自転車でコート盛へ向かいました。隠れスポットだからか、夕日を見に来ていたのは僕たちの他に、カメラを持ったお二人だけでした。
遠見台だけに、島の高い場所に造られています。高さ4mほどとはいえ、らせん状の階段を上がると島の四方を見渡せ、遠くには西表島がどっしりと広く横たわっていて、圧倒されるような迫力がありました。
そんな場所ですので、島の中心部にありながらも水平線に沈む夕日を見ることができます。さとうきび畑が広がり、わずかに見える民家。雲も結構出ていましたが、波照間ののどかな風景越しの海に夕日が落ちていくのを見ることができました。
僕の見た夕日がこちら。
しかも、よくご覧下さい。落ち際、なぜか水平線ではなく、その少し上のところに沈んでいくのが見えます。西表島で見たときもそうだったんですが、なんとも不思議ですね。
一面を見渡せる景色の中で眺める夕日は、ニシ浜から見るのとはまた違った味わいを感じさせてくれることでしょう。
◎コート盛◎
5.無数にまたたく満天の星空
天文ファンでなくても星空を見てみたい人にとって波照間島は絶好の場所です。きれいな星空が見られる条件が揃っています。
より多くの星を見るためには絶対条件です。都会ではせいぜいオリオン座やカシオペア座、北斗七星など、限られた数の星しか見られません。しかし波照間島のように大気が澄んでいると星が無数にありすぎて、一瞬、「どれがオリオン座なのか分からない・・・」となりました。
明かりがひとつでも目に入ると、星の見え方はまったく違ってきます。波照間島では宿を出て少し歩けば視界から明かりをなくせる場所を見つけられます。
ひとつ目の条件は「大気がとても澄んでいること」。
より多くの星を見るためには絶対条件です。都会ではせいぜいオリオン座やカシオペア座、北斗七星など、限られた数の星しか見られません。しかし波照間島のように大気が澄んでいると星が無数にありすぎて、一瞬、「どれがオリオン座なのか分からない・・・」となりました。
ふたつ目の条件は「民家や街灯も少なく、周囲に明かりがまったくない場所にすぐ行けること」。
明かりがひとつでも目に入ると、星の見え方はまったく違ってきます。波照間島では宿を出て少し歩けば視界から明かりをなくせる場所を見つけられます。
(編集部付記)
僕は一晩で二度、星空を見ました。
さとうきび畑に囲まれた場所。地面に大の字に寝転がって見る星は、都会で見るよりもなぜか近くにあるように感じます。しばらく見ていると、時々流れ星も。
星って、またたくんです。都会ではほとんど意識したことがありませんが、澄んだ大気がゆらめくからなのか、星々の光が強くなったり弱くなったり。まさに天然のイルミネーションです。
一度目は島の居酒屋から宿への帰り、夜11時頃。同宿の、波照間旅ベテランのお兄さんがよく見える場所に連れて行ってくれました。
さとうきび畑に囲まれた場所。地面に大の字に寝転がって見る星は、都会で見るよりもなぜか近くにあるように感じます。しばらく見ていると、時々流れ星も。
二度目は、ふと目を覚ました夜中3時頃。宿を出て明かりのない場所を探し歩いて空を見上げました。薄雲がかかって先ほどより星が少し見えづらくなっていましたが、それでもなお無数の星を見ることができました。
星って、またたくんです。都会ではほとんど意識したことがありませんが、澄んだ大気がゆらめくからなのか、星々の光が強くなったり弱くなったり。まさに天然のイルミネーションです。
なお、僕は見られませんでしたが、波照間島は日本で数少ない、南十字星(サザンクロス)を見ることのできる場所です。12月から6月頃まで観察できるそうですが、4月、5月あたりが夜の早い時間帯に見られ、特におすすめだそうです。また、緯度が低いため、よりたくさんの星座をみることができるとのこと(全天88星座のうち84星座)。
また、星空観測タワーという施設があり、夜に「星空ガイド」が行われています(不定期開催)。ただし公的な交通手段はなく自転車でも外が真っ暗で行けませんので、交通手段はご確認下さいね(僕も残念ながら行けませんでした)。
◎波照間島星空観測タワー◎
6.大海原から昇る日の出
波照間島では、夕日が水平線に沈めば朝日もまた水平線から昇ってきます。夕日だけでなく日の出も絶好のおすすめポイントですよ。
薄暗い中、本当に少しずつ空が白んできます。雲は、まったく無いよりもいくらかあるくらいの方がより楽しめるかと。日が昇る前から光が雲に反射し、太陽と雲の動きで空の表情が刻一刻と移り変わっていきます。その表情がなんとも言えず、見飽きることなく1時間くらいあっという間です。
すると後方から何台かの自転車の明かりが。近づいてくると、前日にニシ浜で偶然出会った、僕の出身大学のアウトドアサークルの学生さん達です。彼らもまた日の出を見に来ていました。
さらに少し進むと、道が大きく下っていく手前に水平線が見える場所がありました。学生さん達もそこで止まっていて、僕も一緒に日の出を待つことにしました。
日の出の時間は過ぎましたが、朝日は出てきません。それでも諦めずに待っていると、曇天の中、奇跡的に太陽が少しだけ顔を出しました。
僕は日の出を見るのが大好きです。多くの方は朝日が顔を出す瞬間を狙っていらっしゃるかもしれませんが、僕のおすすめはもう少し前の段階から。日の出の30~40分前からが勝負です。
薄暗い中、本当に少しずつ空が白んできます。雲は、まったく無いよりもいくらかあるくらいの方がより楽しめるかと。日が昇る前から光が雲に反射し、太陽と雲の動きで空の表情が刻一刻と移り変わっていきます。その表情がなんとも言えず、見飽きることなく1時間くらいあっという間です。
日の出を見るため、少し早めに起きてまだ暗いうちに宿を出発します。自転車で島の中心部から東の方に向かいました。進むにつれて道が少しずつ下っていきます。
すると後方から何台かの自転車の明かりが。近づいてくると、前日にニシ浜で偶然出会った、僕の出身大学のアウトドアサークルの学生さん達です。彼らもまた日の出を見に来ていました。
さらに少し進むと、道が大きく下っていく手前に水平線が見える場所がありました。学生さん達もそこで止まっていて、僕も一緒に日の出を待つことにしました。
空はあいにく雲で一面覆われていて、日の出を見るのはかなり難しいかもしれない状況でした。雲のすき間から光で明るくなっている部分も時々見えますが、朝日が昇ってくる位置もよく分からず、あそこかここかと探したり、日の出の時間をスマホで調べたり。
日の出の時間は過ぎましたが、朝日は出てきません。それでも諦めずに待っていると、曇天の中、奇跡的に太陽が少しだけ顔を出しました。
それがこちら。
広がる緑と海の向こうに見える朝日はしっかりとは出てきてくれませんでしたが、これはこれで趣がありました。
よく見ると、雲のすき間からうっすらと光のカーテンが海面を照らしています。雲があるからこそ、の光景です。
残念ながら水平線から昇る朝日を見ることはできませんでしたが、こんな日の出もまた思い出に残ります。
本当はこんな感じで日の出が見られます。
(編集部付記)
朝日、雲、空。一日として同じ表情の日の出はありません。たまたま選んで見に行ったその日のだけの「作品」を、一期一会として心にとどめるのも素敵ではありませんか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、波照間島のおすすめスポット6カ所をご紹介しました。
波照間島は小さな島で、観光スポットを自転車でぐるっと回っても2、3時間ほどしかかからず、「日帰りで十分だな」と思われるかもしれません。
波照間島は小さな島で、観光スポットを自転車でぐるっと回っても2、3時間ほどしかかからず、「日帰りで十分だな」と思われるかもしれません。
しかし、せっかく波照間島を訪れる際には日帰りではなく少なくとも1泊はしたいところです。ハテルマブルーなどの素晴らしい風景や雰囲気に加えて、美しい夕日や日の出、さらに満天の星空を味わって、波照間をより一層満喫し尽くして下さい。
僕が行けずにご紹介できなかった場所もまだまだありますので、新たな島の魅力をぜひ貴方自身の目で見つけてみて下さい。
(文&写真:片山正樹)
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