日本は山の多い国ですが、山と渓谷社出版の「日本の山を数えてみた」によると、対馬には名前の付いた山が177あり、全国の市町村+東京23区の中で1位とのことです。面積の98%が山地である対馬では、それだけ山を人間に身近なものとして、また信仰の対象として考えてきたことがわかります。そんな対馬の山歩き5選を紹介します。
1.要塞「金田城」のある「城山」の山歩き
城山(じょうやま)は、対馬の浅茅湾に突き出した276mの岩山ですが、これまで大陸の侵攻を防ぐための要塞の山として使われてきました。そこに築き上げられたのが山城「金田城(かねたのき)」です。登山口は、美津島町箕形にありますが所要時間は往復で2時間、海岸を回ると5時間かかります。このコースを歩けば、昔の防人の心境を感じ取ることができるでしょう。
2.白く輝く石英の山「白嶽」の山歩
白嶽(しらたけ)は、標高461mの山ですが、国境の島である対馬を象徴し、大陸の植物と日本の植物が共存するユニークな自然生態系を持っています。そのため国の天然記念物に指定されています。また、石英斑岩でできた双耳峰が特徴となっており、山頂からは360度のパノラマが楽しめます。登山口は美津島町洲藻にあり、山歩きは往復で3~4時間かかります。途中急勾配のところがあるため、所要時間に個人差が出ます。
3. 「有明山」と清水山城跡の山歩き
有明山は、標高558mで、博多から船で対馬の厳原港に着いたときに、すぐ目に入るのがこの有明山です。有明という名前は、「有明(=夜明け)の月がこの山に掛かる」ことに由来しています。山頂は草原になっており、そこから厳原町や厳原港などの風景が一望できます。山歩きコースの途中には豊臣秀吉が朝鮮出兵のために築いた清水山城の城跡を見ることができます。この城跡は国の指定史跡になっています。登山口は厳原町西里にあり、そこから山歩きに掛かる時間は往復で5時間です
4.天然記念物「龍良山」の山歩き
龍良山(たてらさん)は、厳原港から約10km程行ったところにある標高559mの原始林の山です。これまで天動信仰の聖なる山として守られてきたため、そこに生育する木は切られたことがありません。そのため樹齢200年位のスタジイやイスノキなどの巨木がたくさんあり、龍良山は、国の天然記念物に指定されています。山頂からは玄界灘や対馬海峡などを眺めることができます。登山口は鮎もどし公園にあり、山歩きの時間は往復で4〜5時間です。
5.ツシマネコの棲む「御岳・平岳」の山歩き
御岳(標高479m)・平岳(457m)は、対馬特有の動物ツシマネコの生息地で、ここも聖なる山として原生林がたくさん残っており、天然記念物や特定動物の保護区として指定されています。山歩きのコースは御岳公園から1.7km離れた御岳登山口から始まり時計回りに、御岳山頂、平岳、平岳登山口、そしてもとの御岳登山口と、1周するコースになっています。所要時間は約5時間です。
6.山歩きに必要なもの
山は天候が変わりやすく、足場が安定指定な場所が多いです。事前に必要な準備をしっかりと整えて望みましょう。山歩きに慣れていない方は、まずは2〜3時間で往復出来る低山で経験を付けてから望むのもいいでしょう。
登山路には、途中食料や水分を補給するところや用を足すところがない場合があります。非常の際に備えて食料や水分等は多めに買い込んでおきましょう。天候による気温の変化もありますので、防寒・防水対策はしっかりと揃えておきたいですね。
【衣類】
登山路には、途中食料や水分を補給するところや用を足すところがない場合があります。非常の際に備えて食料や水分等は多めに買い込んでおきましょう。天候による気温の変化もありますので、防寒・防水対策はしっかりと揃えておきたいですね。
【衣類】
- 足首まで覆える登山靴
- 吸水性・発汗性のよいアンダーウェア
- 脱着が簡単な上着
- 動きやすいズボン
- タイツ(防寒・虫除け対策)
- 帽子(夏用・冬用)
- 防水性の高い雨具
- 手袋
- ストック
- タオル
- 膝サポーター
- 救急用品
- ホイッスル
- 登山用腕時計
- 携帯電話
- ベル(熊などの動物よけ)
- 地図
複雑な歴史と独特の自然形態を持つ対馬には、標高はそれほどなくても、見どころのある山が数多くあります。特にここで紹介した山はその代表的なものです。原始林、霊山、要塞や山城の残る山、展望の素晴らしい山等々、あなたの好みに合わせて、対馬の山歩きを楽しんでください。
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